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トレーニングやトラッキングデータの解析 ~ 平均心拍数の意味

2016年のMt. Whitneyハイキング初日の心拍数データ

平均心拍数の意味は?

 私がハイキング中の上限の心拍数を決める時に、トレーニング中の「平均心拍数」を基準のデータとしてつかいます。この心拍数と運動強度の関係を把握するうえで有効な情報だと思います。しかしながら、「平均心拍数」を使う場合、慎重に使う必要があります。
 最初のグラフは、今年のMt. Whitneyハイキング初日のデータです。平均の心拍数が毎分144回、最大が毎分160回です。ハイキング中の心拍数はおそらく、毎分150回より高くなっていると思います。しかし、平均値はそれより低くなっています。これは、平均に休憩時の心拍数のデータが含まれているためです。休憩時は、心拍数が低くなるので平均値を下げてしまうからです。これは、よく考えれば当たり前のことで、平均の値を使う場合、注意が必要です。


トレーニング中の心拍数の例

例1: LSD(Long Slow Distance)中の心拍数データ

 最初の例は、LSDを3時間した時の私の心拍数のデータです。この場合、平均の心拍数は実際のトレーニング中の心拍数に非常に近い値になっています。トレーニング中、一度も止まらずに走り続けました。この平均の値はトレーニングの強度として使う事もできると思います。平均からのずれはあるものの、非常に近いと言えると思います。平均は毎分153回で最大が毎分177回です。


例2: ビルドアップ走の時の心拍数データ

2つ目の例は、10kmのビルドアップ走をしたときの心拍数データです。平均の心拍数は毎分153回で、最大が毎分179回です。単に平均と最大の心拍数データを見ると、両方のトレーニングは似ています。しかし、トレーイングの強度は違います。平均からも大きく離れてはいません。なるべく同じような割合でペースを上げて行きました。平均値からのずれは、最初と最後で大きくなっていますが、全体的には近いと言えます。従って、毎分153回の心拍数ならば運動を続ける事ができるとみなすことは可能だと思います。


例3: インターバルトレーニング中の心拍数データ

 最後の例は、インターバルトレーニング中の心拍数データです。平均心拍数が毎分155回、最大が毎分181回です。強運動強度の期間では、心拍数は非常に高く、休息の期間は低くなっています。しかし、平均心拍数は他の例に近い値になっています。 この手のトレーニングでは、平均値は余り意味を持たない値になります。それは、平均値は強強度と低強度の間の心拍数になるからです。したがって、平均値は上限心拍数を決める上ではあまり有用な情報ではありません。平均値はトレーニングの強度を示さないからです。運動強度は、強強度と低強度では非常に大きな差があるためです。


トレーニング中の出たの味方

 トレーニング中の心拍数の評価は、例1のような場合が使いやすいと思います。このデータは、ある人が続けてその心拍数で継続して運動できるよいデータといえるからです。例1のような心拍数を維持すれば、ハイキングも継続できると考えられます。
 しかし、インターバルトレーニング中の平均心拍数は余り有用ではありませんが、データは価値があります。実際のハイキングはインタバルトレーニングに似ているからです。傾斜は一定ではなく、ハイキングの強度はインタバルの様に変化するからです。また、休憩すると、平均心拍数は最初のハイキングの例の様に低下するからです。こうしたデータは、実際の状況と類似しています。
 別の観点では、インタ張りトレーニングのデータをよく見ると、低強度の区間の心拍数が増加しているのがわかります。もし、似た様な繰り返しを続けると、おそらう続ける事は難しいといえます。強強度の運動強度が高過ぎるからです。この例では心拍数は、毎分175回から180回で、同じような低強度の時間では、運動の継続はできないと考えられます。続けるには、低強度の時間を長くするか、休憩が必要です。あるいは、強強度の運動強度を落とす必要があります。
大事な事は
 異なる条件のデータは運動に対する心拍数の反応を理解する上で役に立ちます。重要な事は、データを単に、平均や最大値だけで判断しない事です。各値に意味を良く理解して、データの変化や分布がどうなったか見る事が必要です。そうする事によって、各人の体が心拍数に対してどのように反応するかが見えてくると思います。

 

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