久々の完登
年中行事この頃の5月連休と言えば、八ツ峰に行くのが一種の年中行事のようになっていて、ほぼ毎年通っていました。この年はとても充実したゴールデンウイークで、前半は、白馬岳の主稜を登って、後半は別のメンバーと合流して、どちらとも成功した年でした。
両方の登攀の間の数日は天気がやや崩れましたが幸いにもその期間が休養日で山にいなかったので美味しい所取りの山行でした。
絶好の撮影日和
中々、これだけ綺麗に写真を取れる機会がなっかった中、天気にも恵まれた事と、ルート工作をして後続を待つ間幾つかすばらしいカットを撮影する事ができました。上の写真はVI峰を下ってVII峰に向かう細い尾根をVI峰のすぐ手前から取っています。両側がスッパリ切れたナイフエッジでこれだけ安定した雪の状態だと非常に快適な雪稜歩きです。
同じ人がロープを固定している自分の近くまで来た時のカットです。その後も後続のパーティが続き春ならではの光景です。尾根は本当に自分の足跡がつくだけの細さでした。
貴重な自分の写真!
いつもは撮影係に終始している自分で中々自分の登る様子の写真がないのですが、この時はパーティの別のメンバーが自分の登る様子を取ってくれたので、今回は多めに写真を貼り付けています。
上の写真はVI峰頂上直下の固定ロープを登っている所です。春の遅い時期には珍しく、途中で天気が崩れたため、新雪が積もって足跡のないところを登る事ができました。
ここでトップを変わってロープを引きながらVI峰を登っているところです。VI峰の側壁はA・B・C・Dといわれる4つのフェースからなっていて小ピークを連ねています。V-VIのコルからは少し大きな登りになっていて、ロープを数ピッチ伸ばしました。最初に上半を登ったときは綺麗に先行パーティのスッテップが残っていて階段でしたが、今回は自分たちでトレースをつけました。
雪が安定しているとは言え、尾根は細くしまった硬い雪の上に湿った新雪が乗った状態なのでほぼ、ロープをつけたまま上部に向かってロープを伸ばします。このあたりの尾根は細いナイフエッジが続きロープが延びきると尾根を崩して広い足場を作ってから、雪の中に後続確保のための支点を作ってロープを固定して後続を待ちます。中間の人は固定ロープを使って登ってくるのでその間が撮影タイムになります。この時は首からコンパクトカメラをかけて登って随時後続の写真を撮っていたので結構いいカットが取れました。最後の人は、ロープの固定を外して、ロープを手繰りながら確保して登るので撮影は出来ませんでした。
下から見ると、天に昇るような感じで見えます。これもVI峰の登りの途中です。なかなかこんなカットは取ってもらえないのでこの時の写真は本当に記念になるカットでした。何年も前の写真ですが、この時の写真は殆ど全部綺麗に残っていました。
これは、VI峰からの下りです。雪の状態がいいのでそのままクライムダウンしました。かなりの場合は支点にロープをかけて懸垂下降します。後続のパーティが追いついてきていて私たちのパーティが降りるのを順番待ちしています。たまたま、知り合いだったのでいろいろ話をして楽しい登攀でした。
これは、最後のVIII峰の登りの急雪壁の登りです。ここはかなり急な雪の壁で雪が安定していないと登るのは相当大変だと思います。おそらく70度から80度位はあると思います。
前半は
さて、写真が残っているのは今回殆どV-VIのコルより上の上半の写真ばかりですが、実は余り天気がよくなく、余り写真を取れませんでした。I峰III稜の登りは、遅いパーティが前にいてP5で抜かすまではルートが伸びずスローでしたが、その後は順調にルートを伸ばして、一気にV-VIのコルまで行きました。その後、別のパーティも抜かして追いついて来たのですが、世間は狭いといいうか、山の世界は狭いもので、後続は知り合いのパーティでした。いつもなら一緒に一杯という所なのでしょうが、そのパーティは山では飲まないらしく静かなよるだった様に記憶しています。
翌日は写真の通り共同でロープを張って登りました。
久々の完登
実は、何回も八ツ峰に来ていますが、このときが上まで抜けた2回目でした。最初の時とは違って、ある程度は自分たちでルート工作をして登った事もあって、ある意味冬への自信を深めた山行でした。実際、この春の登攀でパーティも冬に行くという形が出来た気がしました。
この年は、本当に充実した登攀で、おそらく、一番快適に八ツ峰を登った山で思い出深い山になりました。
今回は絶景の写真をお楽しみください。
(つづく)
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