再び冬に
再び冬に挑戦!何回か春に登って、ある程度自信をつけたので、再び冬に登るべく八ツ峰に挑戦しました。
この冬は最初はまずまずの天気で順調に取り付きまで行きましたが、1日は吹雪で足止め。それでも気を取り直して、III稜に取り付い暫く登るとトレースが出現。どうやら、先行パーティがいて彼らも足止めをくらっていた模様でした。P3を越えてP4の頂上まで行くと彼らは下山すると行ってP4から上に向かって左側の沢に下山して行きました。
さて、自分たちのパーティはというと、翌日から天気が崩れるという天気予報を聞いて考えこんでしまいました。翌朝、高層天気図を取るとやや強い寒気が下りてきていて、少し強い冬型になりそうな雰囲気でした。軽量化のため、燃料と食料はやや少なめで、大雪になると閉じ込められるという懸念が頭をよぎります。ここは冬の剣、天気が悪いのはあたりまえで、悪天をついて登れなければ頂上を落とせないのは良く分かっていますが、過去数年の経験から、昨今の雪がやや少なくなった事を考慮しても、一旦大雪になればと思うと迷うところもありました。メンバーの一人はやや経験の少ない物もいて、大事を取って下山することにしました。
この後のため、P5だけは登っておこうということでルート工作をしました。やはり春とは大違いで雪を払いながらの登攀で時間もかかりました。
ちなみに、上の写真はP4からP3を見たところで、前回の春にテントを張った場所です。より細いナイフエッジになっているのが分かると思います。
P5を登った後テントを撤収して、自分たちも左のルンゼに入って速攻で下山しました。途中昨日下山していったパーティに追いつき、上部のプラトーに雪崩の跡が見えたので心配していたと言われました。
下山して。。。
実際下山して天気予報をみると、その後の天気の崩れはそれほど強い冬型ではなく、登れば登れそうな感じの天気の流れでした。冬の八ツ峰は長期にわたるので、悪天に見舞われるのはまず間違いないわけで、どこでそれに会うかも一つの成否をかける要因だと思います。
突っ込まないと登れないのですが、突っ込むと当然閉じ込められる危険もあるわけで、ある意味度胸もいるところです。そして、雪の状態が悪くなれば進退窮まることもあるわけで、長期戦を考えないといけないのですが、荷物の量もまた大きく、食料・燃料のほか、それなりの登攀道具も必要でザックの重さも25kgから30kgは楽にあるわけで、さらに重くなると機動力も落ちます。加えて深い雪のラッセル。冬ははっぱり一筋縄でいかないのが現実でした。
(つづく)
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