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Mt. Whitney 登山を科学する (7) ~ 上限心拍数を考える その2

朝焼けのMt. Whitney西面

妥当な上限心拍数は?
昨日の投稿から考えると、私の上限心拍数はどうも、毎分145回位がよさそうに思えてきますが、先日来プログラムを書きながら心拍数の推移を見ていて気付いた事がありました。それは、「最低ペース」はどれくらいかという事です。これは、愚問のようですが、よく考えてみて下さい。理論的には、止まらないで動いている限り、遅いペースは可能と言う事になります。しかしながら、実際に歩く動作を考えると、ペースを落とすには限界があります。というのも、極端なスローモーションのような動作は無理があって、それを継続する事は難しいからです。
これはよく考えると当たり前なのですが、歩く、走るという動作は「リズム(テンポ)」があって、そのリズムで歩いているわけです。しかし、これが極端に遅くなると、ある速度以下で歩くのは非常に難しくなるわけです。そうなると、ペースを落とす方法は「止まる」しかなくなるわけです。そして、「動いている時間」とその時の「ペース」そして「止まっている時間」で、実際のペースが決まるわけです。



何が言いたいかと言うと、ある程度の荷物を背負ってOutpost Camp ~ Trail Campの区間を歩く場合、その「最低のペース」で歩くとすぐに心拍数が上がってしまい、例えば、「毎分145回」を維持して歩くのは、ちょっと難しいのです。そうなると、少し早目のペースで歩く事になり、例えば「毎分145回」に設定してしまうと、少し歩いて、止まって心拍数を整えてという歩き方になってしまいます。それよりは、少し長めに歩いて少し長めの休憩をする方が登山のリズムを作りやすく、「多少の無理が効く限り」やや高めの心拍数で行動した方が「歩きやすい」場合もあるわけです。勿論、この区間でも、「毎分145回」を上限にして、もっと小まめに立ち止まりながら歩く方法もありだと思いますが、私の場合、それは自分の「歩きやすいテンポ」ではないのです。


全体のプランでペースを決める
本題に戻って、上限心拍数をどう決めるかですが、これには全体の行程のプランをもう一度考える必要があります。例えば「日帰り」の場合、荷物の量は一定で、宿泊装備を背負う場合に比べて軽いわけですから、上限心拍数を区間で分ける必要性は余りに内容に思えます。少なくても登り全体を通して同じ基準で行なえば良いと思います。標高が上がれば心拍数も高めに触れてくるので自動的にペースもおさえられるので、比較的単純なモデルと言えます。
一方で、宿泊の場合、どこで宿泊して、どこから頂上に向かうかで上限心拍数に対する考え方も変わってきます。例えば、高山病の影響が出やすい標高3,200mを越える部分では荷物を軽くするというのであれば、Outpost Campから頂上を目指すというのも一つの選択肢だと思います。ただし、頂上を往復する日の行動時間は宿泊をする割には長い物になります。山中1泊の行程では日帰りの場合と大差がなくなってきますので、個人的にはメリットは少ないと思います。そうなると、宿泊場所はTrail Campというのが多くの方の選択肢になるかと思います。そうなると、いずれにしても「Outpost Camp ~ Trail Camp」の間は宿泊装備を背負って登る事になります。問題は、頂上をテント設営後に目指すか翌日に回すかでこの辺も変わって来ることになります。テント設営後引き続き頂上を目指すことを考えると、高めの心拍数で登る事には個人的には問題があるように思います。休憩での回復のしやすさを考えると、乳酸閾値を越える領域での運動は控えるべきで、少なめの上限心拍数で登る方が良いかと思います。そうなると、立ち止まる回数を短い区間で何回もという事になると思います。一方で、Trail Campで一旦止まって、翌日頂上を目指す場合、多少、高めの心拍数で登ったとしても、翌日までには十分回復時間が取れるので、「テンポ」を重視して、多少高めの上限心拍数で行動するのも選択肢の一つになるわけです。

この辺をどう考えるかですが、何回かMt.Whitneyを登ってみて思うのは、やはり宿泊は宿泊装備をTrail Campまで持ち上げて、頂上を目指すというのが、行動時間のバランスを見ると良いように思えます。その上で症状を目指すのはTrail Camp入りした翌日に回すのが全体のバランスはいいように思えます。翌日、休養を取った後に頂上を目指すわけです。そう考えると、Outpost Camp ~ Trail Campの登り方は多少、心拍数を高めサイドに設定しても、十分回復時間が取れるので良いと思います。翌日の頂上往復は、少なくてもTrail Crestまでの登りは抑え気味に登って、その延長線上で頂上を目指す方がよいかと思います。特に頂上往復後、テントを撤収して下山する場合、下山の余力を残すのを考えれば、前半の登りは抑え気味の心拍数の方が良いと考えます。

今日は、私自身の心拍数の上限について考えてきましたが、次回は一般的な上限心拍数について考えてみる事にします。

(つづく)


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