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日本酒醸造プロジェクト (4) ~ インターネットのレシピの検証

材料が揃いました

準備完了!

注文していた、清酒酵母が今日届きました。これで日本酒醸造の準備が整いました。イーストをアクティベートしたので、明日仕込みを開始する予定です。

ところで、既に紹介している通り、2回ほど予備実験として「どぶろく」を作りました。基本的にインターネットを検索して紹介されているレシピを基に作りました。かなりのものが似たようなレシピできっとオリジナルの出所は同じようなば気がしました。日本では醸造自体が法律で規制されているので、思ったよりは情報は少なく、もしくは作っていても違法行為なので公にしていないのだと思います。そんなわけで、材料を待つ間にさらに検索範囲を広げていろいろ調べてみましたので、幾つかポイントを紹介します。

どぶろく

要は絞っていない日本酒の総称のような感じですが、簡易版の日本酒と言って良いかと思います。日本酒は何回かに分けて、蒸した米、麹、水を加えて行き、最終的に15%前後のアルコール濃度のお酒を作るわけですが、一般に「どぶろく」は一回でつくる様です。日本酒の工程で言えば酒母を作るのに近い作業だと言えます。発酵期間は数日から1~2週間程度でこの期間も酒母を作る時間に近いものがあります。

何回かに分ける理由は、徐々に酵母を増やして、さらにアルコール度数を上げるためのようです。通常1回だけの発酵ではアルコール濃度は15%前後までは上がらないようです。その辺が日本酒の一般的な工程と、簡易版の「どぶろく」の工程の違いのようです。もちろん、「どぶろく」もアルコール度数を上げるために数回に分けて仕込む事もあるわけで、はっきりした定義ではありませんが、多くのインターネットの「どぶろく」の実例は、1回で終えていました。

ヨーグルト

このインターネットで大多数を占めるレシピにはヨーグルトを加えるものがありますが、これについてもう少し調査してみました。各々の記事を読むと、乳酸菌が生きたものを入れて乳酸菌を増やして。。。という記述がありますが、よく調べてみると、日本酒の酛(もと)を作る際に、雑菌の繁殖を防ぐために、天然にいる乳酸菌を培養して乳酸を生成させて、この効果を狙っていると言うのは事実です。得に伝統的な手法では、いわゆる生酛を作る際の手法では、実際乳酸菌が増えて乳酸を生成する時間が加わるため、この前処理に多くの時間を費やしています。

ところが、明治に開発された手法である、速醸酛という手法は、乳酸菌の代わりに乳酸そのものを加えて、酛のpHを下げることで、この時間の短縮を図っていて、多くの酒蔵もこの手法を採用している事が多いようです。

さて、簡易版の「どぶろく」では、発酵期間自体がせいぜい1~2週間なので、乳酸菌が増えて乳酸を生成して、期待したpHの域に達する時には酵母自体も充分増殖していることになるので、乳酸菌の効果を期待してヨーグルトを添加するのは余り意味がないことがわかります。
次に、ヨーグルト自体は弱酸性だと思われますが、多くのレシピで使われている程度の量では全体のpHはそれほど下がらないと思われますので、これも効果が薄いと言えます。一般に雑菌の繁殖の抑制、滅菌の目的で加えられる乳酸は、酒母のpHが3.6~3.8程度を目安に入れられているようなので、少量のヨーグルトでは充分ではありません。このpHはスポーツドリンク程度でレモン果汁ほどは強くない程度です。

そう考えると、味の調整以外の効果はヨーグルトにはないといえます。

今回の醸造では、88%の乳酸を入手して使おうと思いましたが、少し時間がかかるようなので、ワイン醸造に使われることがあるクエン酸を代わりに加える事にしました。

イースト(酵母)

 前回までの予備実験では、ビール酵母とパン用の酵母を試しました。一応どちらのイーストを使っても作ることはできましたが、味と香りはビール用の方が良くできたと思います。恐らく、お酒は少し時間をかけてゆっくりと発酵をさせたほうが良い結果が出るような気がします。これに関してはこれを裏付ける科学的な根拠があるのかは不明ですが、経験的にそんな気がする程度です。
今回は、清酒用の酵母を使って作る予定ですのでどうなるか結果が楽しみです。

前述のインターネットの情報では、パン用のイーストを使う例が多いと思いますが、これは恐らく入手の容易さに尽きるのではないかと思います。日本国内では醸造が法律で制限されているので、醸造用のイーストの入手経路は限られてくるからです。ビールキットなどが売られているのも事実ですが、やはり手に入れやすさを考えると圧倒的にパン用の方が簡単です。
私の住んでいるアメリカのサンフランシスコ近郊のエリアでは、そうした醸造用の器具や材料を扱う店が少なくても身近にあります。従って、 ワイン用、ビール用は比較的簡単に手に入ります。加えて、醸造用の器具も簡単に買えて、回りにも自家製のお酒を楽しんでいる人が多数いるので情報も豊富です。

ビールやワインほど一般的ではありませんが、日本酒を作る人々もそれなりにいるため、清酒用のイーストも出回っています。以下の2種類が簡単に手に入ります。
  • White Labs WLP705 Sake Yeast (協会7号ベース)
  • Wyeast 4134 Sake #9 (協会9号ベース)
今回は、Wyeast 4131の方を入手して使うことにしています。

(つづく)














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