雪崩ビーコン
アメリカでは例年を超える積雪量です!
ここ数週間の連続した降雪で、現在のカリフォルニア州の山岳地帯では例年を超える積雪量を記録しています。場所にもよりますが、例年の150%という地域もあるようです。昨年同時期(2018年2月)は、例年より雪が非常に少なかった事と比べると今年の夏は、標高の高いエリアでは、遅くまで雪が残るだろうと予測されています。現在は、雪崩の危険が高い場所が多くなっています
雪の状態は刻一刻変わるため、一概に雪崩の危険が高いというわけではありませんが、大量の降雪があった直後などは一般的に雪崩の危険が高まります。
最近は、幅の広い新雪用のスキーが普及して新雪パウダーを楽しむ方が増えていますが、スキーは雪面を切って進むため、人為的な雪崩を起こすことも多くあります。
そこで、スキーをする人、特にゲレンデ以外のバックカントリーを滑る人は、雪崩ビーコン(Avalanche Beacon)を身に着けるのが安全対策として重要です。
雪崩ビーコンの本来の使用は、人命救助の為!
本来の雪崩ビーコンの目的は「人命救助」の為です。実際は、雪崩事故の後の遺体探しにも大きく貢献しているのですが、一番重要なのは、雪崩に遭遇して一刻も早く、埋没者を発見し掘り起こすために使用されるというのが本来の目的です。
早期の発見にはいくつか大事な要素があります!
- パーティ全員の着用(携行)
- 捜索方法の習得
- 全員によるスコップとゾンデの携行
- 雪崩の危険がある場所では、全員で同じ場所に入らない
などが、重要な要素です。雪崩ビーコンは通常行動する際は全員が「発信モード」にセットして、行動します。通常は行動開始時に正常に電波が出ているかを確認して行動を開始する事が重要です。
万が一誰かが雪崩に巻き込まれた場合は、雪崩に巻き込まれた人を捜索するわけですが、その際は、受信モードに切り替えて、捜索を行います。その際、全員が検索のためのプローブ(ゾンデ)と掘り起こすためのスコップを持っていないと、捜索の効率が落ちるので、全員が持っているという事が大切です。
さらに、捜索にはコツがあるので、通常より捜索方法の訓練を行い素早く埋没場所を特定するという対策も必要です。
さらに、全員が埋没してしまった場合、捜索ができないので、危険と思われる場所は一人ひとり行動して、全員が雪崩に巻き込まれる事を避ける事も重要になります。
単独行は危険!
単独行の場合は、周りに人がいない場合雪崩に巻き込まれても捜索の使用がないので、雪崩ビーコンを身に着ける意味は、事後の遺体捜索にしか役に立ちません。さらに、雪崩に埋まった場合、電波は余り遠くには届かないため、ある程度埋没した場所が特定できないと、ビーコンを身に着けていたとしても捜索は難しくなります。
単独行の場合は、雪崩ビーコン以外にも行動の記録をモニタ出来るような方法が捜索を容易にしてくれます。この場合、先日から話題に上っているIn-Reachは一つの便利なデバイスだと言えます。いずれにしても、雪崩の救助は時間との闘いで、一刻も早い場所の特定と、掘り出すことが必要で、単独行の場合はそれが非常に難しいので、できれば避けるべきだと言えます。
私も単独でバックカントリーに行く事が多いのですが、新雪を滑る場合はできるだけ一人ではいかないようにしています。単独で行く場合は比較的雪の安定している残雪期に限定するようにしています。
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