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登山の為のトレーニング (2) ~ 何のためにトレーニングをするか?




何のためにトレーニングするか?

ランナーのトレーニングの目的は一般的にはっきりしていて、より速く走るためと言う理由が多いと思います。では、登山の為のトレーニングは何のためにすると思いますか?トレーニングの内容に言及する前にこの辺を考えてみたいと思います。

では、登山の為のトレーニングの目的、ゴールとして、「より速く」とか「他人より速く登る」ためにトレーニングをされる方はどの程度いらっしゃるでしょうか?普通に考えれば、一般的にこれを目的としてトレーニングをされる方は非常に少ないのではと思います。一部のトレールランナーの方々はこれが目的の方もいらっしゃると思いますが、どちらかと言えばトレールランのためのトレーニングはランナーよりの物で、登山とは別のカテゴリーと考えていいのではと思いますので、ここでの話からは除外することにします。

それでは、「楽に登るため」でしょうか?こちらの方がどちらかいえば、近い気もしますが、物理の考え方を取り入れれば、「楽な登り方」というのは存在しないというのが私の考えです。そもそも登山は、体と荷物を高いところに運んで、なおかつ降りてくるという運動です。つまり、ある重さの物を持ち上げて下ろすという作業になるわけで、それに必要な「エネルギー」は基本的に重さと、持ち上げる高さが決まってしまえば、一定となるのが物理的な考え方です。したがって、「楽に登る」というよりは、「楽に感じる」ように登るためと言い換える方がしっくり来るのだと思います。要は「余裕を持って登る」ためなのではないでしょうか?

では、どうしたら「余裕を持って登る」事が可能なのでしょうか?

先日も考えた登山の要素をもう一度考えてみると:

1. 長時間の運動
2. 体制を維持する筋力
3. 体を持ち上げたり、前に進むための筋力
4. 下りで体を安定させるための、筋力とバランスの調整能力
5. 効率的に体に酸素を循環させる能力

という感じではないでしょうか?

トレーニングのカテゴリー

#1の中には、#5もある意味含まれることになります。しかし、#5だけでは充分ではありません。先日も別の投稿で書きましたが、LT(乳酸閾値)相当の心拍数よりさらに、少ない心拍数で運動すれば理屈的には、運動で発生する乳酸がうまく処理されて、蓄積しないようになるようなので、かなり長時間にわたり運動を継続する事が可能になるはずです。しかしながら、当てはまる場合もありますが、当てはまらない場合の方が多いように思われます。これは、筋肉の方が先に参ってしまう場合があるからです。これは、運動に伴って筋肉がダメージを受けると考えられるからです。したがって、長時間の運動に耐えられる筋肉にする必要があります。これが、一つの要素です。同時に、乳酸閾値を引き上げるというのも一つの要素です。これにより、ペースを上げるなどの行動が可能になります。さらに、#5に関連して「最大酸素摂取量」を引き上げるというのも考えられますが、これをトレーニングで改善する余地は一般的に少ないし、年齢と共に数値は下がってくると言われていますので、ここでは取り上げない事にします。他のトレーニングの結果として改善すれば良い位に考える事にします。#2と#3は、筋トレ、いわゆる、腹筋や背筋、腕立て伏せなどで鍛える事が可能です。4はちょっと特殊で、いわゆる筋トレだけではなかなか鍛えられない筋力で、実際に下り坂を歩くトレーニングを取り入れるか「長距離を走る」のが良い方法だと考えられます。

 まとめると、
  • 長時間の運動のための筋力強化
  • LT値を引き上げる
  • 筋トレ (体幹をきたえる)
  • 下りのための筋力強化
くらいに絞ることが出来るかと思います。

次回は、各項目に特化した具体的な運動を考えていきます。

(つづく)




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