スキップしてメイン コンテンツに移動

心拍数によるハイキング・登山のペース管理 (2) ~ 心拍ゾーン

ランニング用の心拍計

 さて、目標心拍数の決め方については、「ハイテク登山術」では、心拍ゾーンを基に決めることを推奨しています。ところが、この本でも述べている通り、心拍ゾーンの決め方は幾つかの方法があって、それによって心拍数も大きく異なる事があります。

 私の場合を例に挙げると、私の年齢はこの記事を書いている2017年12月現在51歳です。一般に良く使われると言われている計算式「220-年齢」という方法で最大心拍数を推定すると、毎分169回という事になります。所が、過去6ヶ月のトレーニングのデータから最大心拍数を割り出すと、平均で毎分178回という数値が出てきます。
過去6ヶ月の最大心拍数の推移
(トレーニングのデータから)

 心拍ゾーンを、この最大心拍数から割り出すとすると、どちらの値を使うかで結構大きな違いが出てくることがわかります。安全サイドで考えて心拍ゾーンの2以下という事にんすると、最大心拍数の60%から70%がゾーン2となりますので、
  • 式から推定した場合    毎分101回から118回
  • 実際の数値を使用した場合 毎分107回から125回
というように1分間あたりでも毎分6回から7回程度の差が出てしまいます。さらに、別の方法で予備心拍数と言われる実際の心拍数の範囲から決める方法を使うと、「(最大心拍数ー安静時の心拍数)xXX%+安静時の心拍数」という式になり、XX%が60%から70%という事で、この場合、安静時の心拍数が必要になりますが、これも、私の過去6ヶ月のデータから考えると、毎分59回という事になります。

過去6ヶ月の安静時の心拍数

これを、先のデータからの最大心拍数と、安静時の心拍数を使ってゾーン2の範囲を計算すると、
  • 毎分130回から毎分142回
という数値が出てきます。さらに、乳酸性閾値から推定する方法など、決め方によって心拍数の範囲にかなり大きな差が出てきます。乳酸性閾値については、最近はランニング用のデバイスで推定できるようになって、私の場合の推定値の心拍数が毎分165回なので、ゾーン2の範囲が毎分134回から146回程度の様です。(計算式はあるサイトの計算式では乳酸性閾値相当の心拍数の81%から89%)
  • 毎分134回から147回
となり一番心拍数が高い方になっています。心拍数を基にトレーニングを行う場合、この決め方で運動の強度が大きく異なってしまうために、この値の決め方はトレーニングをする上では割と大きな意味を持つと思われますが、ハイキングの心拍数を決める上では多少の前後は大きな問題にはならないと思います。むしろより安全サイドでと考えると低めの値を取る方が無難とも言えます。

 私のトレーニングの感覚からすると、毎分134回から147回という数値が乳酸性閾値推定値からの計算ですが、丁度良い値になっていて、過去のMt. Whitneyのハイキングのデータからも割と良い結果が出ていると考えられます。また、私の場合はむしろ最大心拍数から推定する値の毎分120回以下というのは、低すぎるというのが感覚的な印象です。この辺は、普段のトレーニング時の心拍数のデータや実際のハイキングのデータとその時の感覚で調整するしかないと言えます。

 ここで一般的な方法として考える場合、幾つかの事が考えられます。一つには普段からある程度長時間の運動習慣のある方と普段は殆ど運動しない方です。その辺を含めて次回の投稿では私なりの考え方を書いて行きたいと思っています。
(つづく)



コメント

このブログの人気の投稿

BaoFeng UV-5R ~ 中華トランシーバ その後

BaoFeng UV-5R  格安の中国製トランシーバーを入手して約1ヶ月余りたちました。その後の報告です。 静かなアメリカのV/UHF帯  まだ家にアンテナを立てたりしていませんので、基本的には付属のアンテナに取りあえずつけた、マグネットベースのアンテナで時折144MHz帯と、430MHz帯のFMを聞いています。前の投稿で少し触れましたが、私の住む北カリフォルニア(サンフランシスコ近郊)では、殆ど普通のFM(Simplex)での交信を耳にしません。耳にする交信はほぼ、リピーター経由の物と言うのが現状です。一方で、リピーターの数はかなりの数があって、インターネットで調べると、この辺りはどこに行っても複数のリピーターにアクセスできますし、周辺の高い山の上などにも設置されていて、リピータのカバーエリアも網羅されている感じです。  そんなわけで、普通のアナログのFMで使えるチャネル(FM Simplex)は、144MHz帯で26チャネル、430MHz帯に至っては3チャネルしかありません。一方でかなりの帯域がリピータ用として割り当てられています。 BaoFengを使うたってにあたって  最初は、アマチュアバンド内をスキャンして誰か交信していなか探していたのですが、このモデルのスキャンは余り速くはなく、かなりの時間がかかってしまいます。実際に話をしているのを見つけるには、もう少し的を絞らないと効率が悪いので、必要なチャネルをプログラムして、プログラムしたチャネルをスキャンする方が効率がよい事に気づきました。今回入手した、UV-5Rというモデルは、全部で128チャネルをプログラムする事ができます。この辺は、日本の八重洲とか、ICOM、KENWOODなどの物は1000チャネルとかプログラムできるので、それを考えると少ないと言えますが、実用上は取りあえず、大きな問題ではないようです。  それで、まずはどのようにプログラムするかですが、まずは、全部で29あるFM Simplexのチャネル29をプログラムする事にしました。実態を考えると余り使うケースはないと思いますが、それでもハイキングなどに行ったときに仲間と連絡に使うには便利ですが、周波数を覚えるのも大変なので予めプログラムしておくことにしました。これで、128チャンネルのうち、29が決まったので

GPSデータの解析 (3) ~ TCXファイルの中身

TCXのデータの例 実際のデータは? 実際、取りあえず試用のプログラムは既にあって、データを読み込めるようになっています。でも、興味がある方もいらっしゃるみたいなので、もう少し詳しい中身について今日は書いてみます。 上の例が、TCXファイルの例です。これは、昨年Mt.Whitneyに行った時の冒頭のデータを一部抽出した物です。一連のデータとして、時刻、位置情報(緯度と経度)、標高、心拍数などが入っています。TCXファイルには、距離も入っているのが分かるかと思います。これは、スタートからの積算距離になっています。 先にも書きましたが、TCXファイル自体は、XMLファイルなので、ファイルはタグを基に、そのタグの階層で構成されています。例では一部を抜き出していますが、「Trackpoint」というタグは別の上位の階層のタグに含まれていて、この前後には、別の「Trackpoint」が同じレベルで羅列されているような形式になっています。このタグ一つ一つが個々の時刻のデータになるわけです。 この「Trackpoint」の下位には、個々のデータが別のタグで含まれているのが分かるかと思います。 基本的に、各タグのデータは最初の「<>」で囲まれた所からスタートして、</>という、同じタグで、先頭に「/」が入った所で終わる様になっています。 つまり、個々のGPSのトラックデータが欲しい場合は、このTCXファイルの場合、「Trackpoint」というタグを探して、その中のデータを抜き出していけばよい事になります。ファイルも、テキスト形式のファイルなので、少々プログラムに慣れた方ならば簡単なプログラムでデータを抜き出すことができるわけです。 GPXファイルは? GPXの同じデータの例 さて、これが同じ時刻のデータをGPXファイルから抜き出してみました。こちらも同じXML形式なので、似ていますが、少し書き方が違うのが分かるかと思います。こちらの場合は、「trkpt」というタグに個々の時刻のデータがあります。位置情報は最初の「trkpt」のタグの中に埋め込まれていて、その後に、個々のデータが少し別のタグで入っているのが分かるかと思います。こちらの場合、積算距離の情報は入っていないので、位置情報から自分で計算する必要があります。これは、調べてみたのですが、少

バッティングセンター ~サンフランシスコ ベイエリアにもあります!

折れた金属バット! サンフランシスコベイエリアのバッティングセンター 今週も暑さでアウトドア関係は休止中でした。実際は風もあって気温はそこそこ高いのですが割りとすごし易い週末でした。日本語の補習校の集中授業があって子供たちもちょっと大変なので、現地校が夏休みに入っても遠出を控えました。 本格的な夏休みの家族イベントももう暫く先送りという事になっています。 そんな中この週末はバッティングセンターに行ってきました。 バッティングセンターは「Batting Cage」と呼ばれていて、数はそれほど多くないもののこのエリアにも幾つかあって、たまに行って遊んでいます。今日は All Star Academy   というSanta Claraの施設に行ってきました。     2901 Mead Ave Santa Clara 95051 に行ってきました。平日は正午から午後9時まで週末の土日は、午前9時から午後6時まで営業しているようです。 日本では屋外にゴルフの打ちっぱなしの練習場のようにネットを張って営業している施設が多いと思いますが、このエリアでは日本に近い屋外営業もありますが、倉庫などの屋内にネットを張って営業しているタイプの施設も多く、今回の施設は屋内タイプでした。 システムは、プリペイカードを買って1回(20球)で3ドルで、幾つか球速の違うブースを選んで遊ぶところでした。バット、ヘルメットは無料で貸してもらえました。野球とソフトボールも選択できまるようになっていて、子供たちは球速の遅いブースやスローピッチのソフトボールを選んで楽しんでいました。 日差しが強く暑い夏のアクティビティには屋内のバッティングセンターも悪くないようでした。 金属バットが折れた! さて、家族で楽しんでいたのですがちょっとしたハプニングが一件ありました。比較的球速の早いブース(60マイル/時間のソフトボール)で遊んでいたところ球がバットの根元に近い部分にあたり明らかに違う音がしたと思ったら、次の球を打ったところなんと金属バットが真っ二つに折れてしまいました。 幸い折れたバットは人のいない方に飛んで怪我はありませんでしたが、ちょっとびっくりしました。 折れた破片も係りの人がすぐに回収して事なきも得ましたが、金属バットも折れるのですねぇ~