スキップしてメイン コンテンツに移動

ガーミンの心拍センサの使い分け

胸バンド式の心拍センサー



 ガーミン社のForerunner 910XTと胸バンド式心拍計及びvivosmart HRの内蔵型の心拍計の読みの違いを比較するためにデータを収集してきました。以前の投稿した通り、概ね私の必要な用途、軽いランニング、ウォーキング、ハイキングなどでは、十分使えることが分かりました。大体、90%以上のデータは46程度のズレに収まっています。

胸バンド式のセンサー

 以前の投稿でも触れていますが、時々、胸バンド式のセンサーの読みが正確でない事があります。多くの場合は、これはトレーニングの最初に見られることが多く、時折、20回分のデータ中23回は、最初以外の部分で見られました。これは、恐らく、どのようにセンサを身に着けているかによる物だと考えます。特に最初の段階でのズレは、センサーと体の電気抵抗が高い事が考えられます。一旦汗をかき始めると、体との接触が良くなって、心拍数の値は正常範囲になると考えられます。また、ズレが最初の部分以外で起こる場合、トレーニング中にセンサが動いたりずれたりする事によって起こるのではと推測しています。胸バンド式のセンサは、装着がきちんとされていれば、基本的には正常範囲の読みが可能だと考えられます。

内蔵のセンサー

 まず、内蔵型のセンサーも胸バンド式と一緒で、正常な読みを得るためには十分ピッタリと腕につける必要があります。装着が緩いと心拍数の読みが安定しないようです。これは、胸バンド式の心拍計と同様に、デバイスが空だと上手く接触している必要があるという事です。一旦どの程度きつく締めれば良いかわかれば、正常範囲の読みが可能です。基本的にずれは最小限になると考えられます。
 過去のデータから、大きく2つのタイプの不正確な読みが見られます。一つは、心拍数のピークになる部分で高めの読みが記録される事です。この影響で最大の心拍数が実際の値より高めになる傾向があります。心拍数の読みが安定していて、前後のサンプルのデータの差が少ない場合、殆どの場合心拍数の読みは胸バンド式の値に一致しています。
 もう一つは、時折、急に心拍数の読みが高くなることがあるようです。これがどうして起こるかは不明ですが、時々みられます。この高い部分の読みは限定的で、他の部分の心拍数は安定しており大きな変化はない場合が多いです。本当に限定的に高い読みがあるようです。
 こうした、不正確な読みが時々あることで、全体の心拍数の最大値が胸バンド式のセンサーに比べて高めに出る傾向があります。これは、ガーミン社の他の製品でサポートしている、VOmaxの推定や、乳酸性閾値の推定に内蔵の心拍計がサポートされない一因ではないかと考えていまうす。

結論

 過去のデータらから、内蔵の心拍計は私の必要とする用途において十分に実用性があるといえます。胸バンド式のセンサーに比べて、少し高い心拍数の読みをすることがあるなど、特性を理解して使えば大きな問題はないと思います。いずれにしても、どちらのセンサーも誤った値を示すことがありますが、胸バンド式のセンサの方が、より安定していて誤った値の読みも予想しやすいようです。一方で、内蔵型のセンサーの誤った値はランダムな事が多く、予想は難しいといえます。従って、心拍数の変化が激しい場合、内蔵型のセンサーの読みは多少高くなる可能性がある事を頭に入れておく必要があります。心拍数が安定している場合は、胸バンド式との差は比較的小さく、誤った値の判別も容易です。
 個人的な見解では、ペース管理などに使う分には内蔵の心拍計で十分だと思います。トレーニングが大きな心拍数の変化を伴う場合、内蔵の心拍計を使う事は十分に可能ですが、胸バンド式のセンサーの方が安定していると言えます。私は、ランニングには基本的には継続して胸バンド式のセンサーを使う予定です。特に、インターバルトレーニングやペースの速いランニングは胸バンド式にして、ハイキングや軽いランニングなどは、内蔵型を使おうと考えています。
 この結論は先の、Vivosmart HRのまとめで書いたことと殆ど同じですが、今回はさらにデータを見て、もう少し詳しくそれぞれの特性を書いてみました。
 これまでの評価をまとめると、この内蔵型のセンサーは多くの人に便利な機能ではないかと思います。

補足:
 心拍数送信モードでのバッテリーの持ちは大体20時間前後のようです。とりあえず、ハイキングで別のデバイスで記録しても取りあえずは十分バッテリーは1日ないし2日程度は問題なさそうです。



コメント

このブログの人気の投稿

BaoFeng UV-5R ~ 中華トランシーバ その後

BaoFeng UV-5R  格安の中国製トランシーバーを入手して約1ヶ月余りたちました。その後の報告です。 静かなアメリカのV/UHF帯  まだ家にアンテナを立てたりしていませんので、基本的には付属のアンテナに取りあえずつけた、マグネットベースのアンテナで時折144MHz帯と、430MHz帯のFMを聞いています。前の投稿で少し触れましたが、私の住む北カリフォルニア(サンフランシスコ近郊)では、殆ど普通のFM(Simplex)での交信を耳にしません。耳にする交信はほぼ、リピーター経由の物と言うのが現状です。一方で、リピーターの数はかなりの数があって、インターネットで調べると、この辺りはどこに行っても複数のリピーターにアクセスできますし、周辺の高い山の上などにも設置されていて、リピータのカバーエリアも網羅されている感じです。  そんなわけで、普通のアナログのFMで使えるチャネル(FM Simplex)は、144MHz帯で26チャネル、430MHz帯に至っては3チャネルしかありません。一方でかなりの帯域がリピータ用として割り当てられています。 BaoFengを使うたってにあたって  最初は、アマチュアバンド内をスキャンして誰か交信していなか探していたのですが、このモデルのスキャンは余り速くはなく、かなりの時間がかかってしまいます。実際に話をしているのを見つけるには、もう少し的を絞らないと効率が悪いので、必要なチャネルをプログラムして、プログラムしたチャネルをスキャンする方が効率がよい事に気づきました。今回入手した、UV-5Rというモデルは、全部で128チャネルをプログラムする事ができます。この辺は、日本の八重洲とか、ICOM、KENWOODなどの物は1000チャネルとかプログラムできるので、それを考えると少ないと言えますが、実用上は取りあえず、大きな問題ではないようです。  それで、まずはどのようにプログラムするかですが、まずは、全部で29あるFM Simplexのチャネル29をプログラムする事にしました。実態を考えると余り使うケースはないと思いますが、それでもハイキングなどに行ったときに仲間と連絡に使うには便利ですが、周波数を覚えるのも大変なので予めプログラムしておくことにしました。これで、128チャンネルのうち、29が決まったので

GPSデータの解析 (3) ~ TCXファイルの中身

TCXのデータの例 実際のデータは? 実際、取りあえず試用のプログラムは既にあって、データを読み込めるようになっています。でも、興味がある方もいらっしゃるみたいなので、もう少し詳しい中身について今日は書いてみます。 上の例が、TCXファイルの例です。これは、昨年Mt.Whitneyに行った時の冒頭のデータを一部抽出した物です。一連のデータとして、時刻、位置情報(緯度と経度)、標高、心拍数などが入っています。TCXファイルには、距離も入っているのが分かるかと思います。これは、スタートからの積算距離になっています。 先にも書きましたが、TCXファイル自体は、XMLファイルなので、ファイルはタグを基に、そのタグの階層で構成されています。例では一部を抜き出していますが、「Trackpoint」というタグは別の上位の階層のタグに含まれていて、この前後には、別の「Trackpoint」が同じレベルで羅列されているような形式になっています。このタグ一つ一つが個々の時刻のデータになるわけです。 この「Trackpoint」の下位には、個々のデータが別のタグで含まれているのが分かるかと思います。 基本的に、各タグのデータは最初の「<>」で囲まれた所からスタートして、</>という、同じタグで、先頭に「/」が入った所で終わる様になっています。 つまり、個々のGPSのトラックデータが欲しい場合は、このTCXファイルの場合、「Trackpoint」というタグを探して、その中のデータを抜き出していけばよい事になります。ファイルも、テキスト形式のファイルなので、少々プログラムに慣れた方ならば簡単なプログラムでデータを抜き出すことができるわけです。 GPXファイルは? GPXの同じデータの例 さて、これが同じ時刻のデータをGPXファイルから抜き出してみました。こちらも同じXML形式なので、似ていますが、少し書き方が違うのが分かるかと思います。こちらの場合は、「trkpt」というタグに個々の時刻のデータがあります。位置情報は最初の「trkpt」のタグの中に埋め込まれていて、その後に、個々のデータが少し別のタグで入っているのが分かるかと思います。こちらの場合、積算距離の情報は入っていないので、位置情報から自分で計算する必要があります。これは、調べてみたのですが、少

バッティングセンター ~サンフランシスコ ベイエリアにもあります!

折れた金属バット! サンフランシスコベイエリアのバッティングセンター 今週も暑さでアウトドア関係は休止中でした。実際は風もあって気温はそこそこ高いのですが割りとすごし易い週末でした。日本語の補習校の集中授業があって子供たちもちょっと大変なので、現地校が夏休みに入っても遠出を控えました。 本格的な夏休みの家族イベントももう暫く先送りという事になっています。 そんな中この週末はバッティングセンターに行ってきました。 バッティングセンターは「Batting Cage」と呼ばれていて、数はそれほど多くないもののこのエリアにも幾つかあって、たまに行って遊んでいます。今日は All Star Academy   というSanta Claraの施設に行ってきました。     2901 Mead Ave Santa Clara 95051 に行ってきました。平日は正午から午後9時まで週末の土日は、午前9時から午後6時まで営業しているようです。 日本では屋外にゴルフの打ちっぱなしの練習場のようにネットを張って営業している施設が多いと思いますが、このエリアでは日本に近い屋外営業もありますが、倉庫などの屋内にネットを張って営業しているタイプの施設も多く、今回の施設は屋内タイプでした。 システムは、プリペイカードを買って1回(20球)で3ドルで、幾つか球速の違うブースを選んで遊ぶところでした。バット、ヘルメットは無料で貸してもらえました。野球とソフトボールも選択できまるようになっていて、子供たちは球速の遅いブースやスローピッチのソフトボールを選んで楽しんでいました。 日差しが強く暑い夏のアクティビティには屋内のバッティングセンターも悪くないようでした。 金属バットが折れた! さて、家族で楽しんでいたのですがちょっとしたハプニングが一件ありました。比較的球速の早いブース(60マイル/時間のソフトボール)で遊んでいたところ球がバットの根元に近い部分にあたり明らかに違う音がしたと思ったら、次の球を打ったところなんと金属バットが真っ二つに折れてしまいました。 幸い折れたバットは人のいない方に飛んで怪我はありませんでしたが、ちょっとびっくりしました。 折れた破片も係りの人がすぐに回収して事なきも得ましたが、金属バットも折れるのですねぇ~