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登山の為のトレーニング (8) ~ LSD ダイエットにも!



先日のLSDトレーニング

今日はLSD(Long Slow Distance)について書きたいと思います。
よく、長距離走のトレーニングなどで、強度の強いトレーニングと併用されますが、このトレーニングは登山でも有効だと思うので紹介しておきます。

簡単に言えば、ゆっくりした一定のペースで長距離、長時間継続して運動を続けるトレーニング方法です。トレーニングの効果については、インターネットなどで調べてみると、結構賛否両論という感じです。ただ、トレーニングを継続してある程度のレベルに達した人に関しては、いろいろ疑問を挟む余地があるというのが、一般論であるように思います。

個人的には、ランニングの初心者、登山の初心者には効果があるトレーニングの一つだと思います。

強い負荷のトレーニングの問題

先日紹介した、インターバルなどのトレーニングは、高負荷時の運動強度にもよりますが、一般的に体に対する負荷が大きいといえます。ここで、問題なのは普段トレーニングをしていない状態でこうした、高負荷のトレーニングをすると、体ができていないために、故障(怪我)をする可能性が高まるという事です。

そうなると、どのように体を作っていくかとう事になりますが、その一つの方法としてLSDは効果的ではないかと思われるわけです。本来は、ゆっくりと「走る」とされていて、出来れば立ち止まらずに走り続けるのが良いと説明している文献が多いように思います。
マラソンなどのトレーニングを考えた場合このような方法の方が良いのかもしれませんが、登山を考えた場合は「長時間歩く」のもありだと思います。

そもそも、一般の登山ハイキングでは普通「走る」事はしないわけなので、大事なのは「歩き続ける」ための体力になるわけです。

ペースを考える

さて、走るか、歩くか各個人の体力とか、それまでのトレーニングの内容にもよりますが、ここでも大事なのは、実はペースより「心拍数」だと思います。

よく文献に書かれているLSDの心拍数は最大心拍数の40~60%程度とされています。要はLT相当心拍数よりは充分低めという事だと私は考えています。ただ、何回もこのシリーズで書いていますが、最大心拍数自体、普段からいろいろな強度でのトレーニングをしてデータを集めていないとなかなか把握する事自体難しく、例の計算式(220-年齢)というのもあまり当てになるものではありません。さらに、LT相当の心拍数と言うと、さらにわかりづらい数値という事になります。

ということで、運動中の心拍数を計れるランニングウォッチがここでも重宝するわけです。

これで数値を計りながら運動をすると、比較的簡単に最適ペースを見つける事ができます。
  1. ある程度一定の心拍数を維持できるペース
  2.  会話が可能であるペース
  3. 30~60分(あるいはそれ以上)は一定の心拍数を継続できるペース
この辺を意識して調整すると比較的簡単に見つけられると思います。普通はあまりゆっくり過ぎるという事はないと思いますので、むしろ速くなり過ぎないように気をつけます。

一定の心拍数を維持するペースと言うのが以外に難しくて、少し運動強度が高くなっていくとペースは同じでも心拍数は徐々に上昇します。ここでは、そうならないペースという事なります。一般に会話が可能なペースならば通常は上昇の度合いは普通は少なく抑える事ができるとされています。
もう一つは、短時間ならばある程度一定の心拍数を維持できるのですが、30~60分あるいはそれ以上になると、ペースが一定でもそれが速すぎると心拍数は徐々に上昇する事が多いわけです。
ということで、30~60分は維持できるペースと言うのを入れています。

どんなコースがいいか?

これも難しい質問ですが、平坦なコースだとトレーニングを継続して体が慣れてくると、歩くだけだと負荷が軽すぎて、ペースの調整が難しくなってきます。早歩きというのは、以外に心拍数が上がるので、ゆっくり走るか、緩い登り坂などで負荷を調整する事になります。
走ると足にかかる衝撃で、運動習慣がなかったり、体重が多い場合は足にかかる負担が増えるので、ここでもゆるい坂でのトレーニングはお勧めです。
ちかくに、緩い坂が無い場合は、ジムなどでトレッドミルに傾斜をつけてトレーニングするのがお勧めです。

時間は?

これも、インターネットの文献を見ていると、1時間以上とか、20分以上とかいろいろありますが、ここでは登山の為のトレーニングについて考えていますし、「歩く」ことも良しとしているわけですので、できれば、1時間は継続したいものです。もちろん、週に2~3回の頻度で続ける方が効果的ですので、何もしないよりは、10分でも20分でも頻繁に実施した方がよいわけです。

そこで、私のお勧めするのは、できれば週に1回は1時間以上の運動をする事にして、これ以外は2~3回を時間が短くても実施して、全体として週3~4回のトレーニングを実施するというモデルです。
この1時間と言う時間は、短いハイキングでも、大抵は1時間以上は往復でかかる事が多いという事から来ています。ゴールとしては1~2時間は継続して心拍数を一定に保って運動するというのが登山をするうえでは、必要な体力だと思います。

ダイエットにも!

こうした心拍数での長時間の運動は、ダイエットにも効果的であるといわれています。このレンジの心拍数での運動は「効率的な脂肪燃焼」が可能とされているからです。

ただし、ダイエットに主眼をおく場合、頻度が重要です。週に3回程度だと効果が薄いようです。できれば、1日おきか、週に何回かは連日のトレーニングをする事が効果を上げるようです。要は、運動をしない日が多くなると、折角燃やした脂肪がまたすぐに体に蓄積されてしまうようです。
全体の1週間の運動時間が同じでも、運動と運動の間の休息の日数が長いと効果も半減するようです。

最後に例ですが。。。

 冒頭の心拍数の変化は、先日ランニングでLSDをした時のものです。

最初は少し丘を登っているので心拍数が上昇しています。以後は比較的平坦なコースが続くので心拍数を150回以下に抑える事を意識しながら、会話が出来るペースでジョギングしています。
最後は、クールダウンで歩いていて、最後に軽くテンポよく走って体をほぐしています。

全体として平均の心拍数は毎分150回程度で、私の最大心拍数は毎分約180回程度と推定されますので、実際は80%程度の心拍数で運動している事になります。信号で止まったりして心拍数が落ちている事を考えると、毎分150回程度というのはちょっと高すぎかと思います。
ただ、この日は体の調子もよく、このペースでも余裕を持って走れたので良しとしています。

この日は、時間にして3時間弱で、距離は25km前後走っています。この位のトレーニングを週1回でもできると、それなりに行動時間が長い登山でも比較的楽な感じで登る事ができます。







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