2012年シャスタ登山総括
いくつか過去のブログと内容が重複する所もありますが、これからMt.
Shastaをめざす方の参考に今回の記録も含めて、Mt.
Shasta登山についてまとめてみました。
インターネットの情報
このサイトは、最新のルート情報等を載せて比較的頻繁に更新されているので、積雪状況や天候、ルート情報の事前把握に役立つと思います。
- http://www.fs.usda.gov/detail/stnf/home/?cid=stelprdb5353013
このサイトは、登山許可などの情報が書かれています。
登山許可関連
- Mt.Shasta Wildness use permit
今回の登山の最初のブログにも書きましたが、これは必須書類です。頂上を目指さないハイキングでも、トレール等に立ち入るには各自必要になります。書類はブックレットになっていて、記入した後緑のコピーのみを切り取り携行します。これはお金はかかりません。
- Summit Pass
これは、10000フィート以上に立ち入る場合に必要になります。1回のみのパス(20ドル、3日間有効)と年間パス(1月1日から12月31日まで有効30ドル)があります。
年間パスは、シャスタの街中の5thSeasonsというスポーツ店かレンジャーステーションが開いている時間に行って取得する必要があります。1回パスは入山口で書類を記入して封筒に料金を入れて取得できます。山中でレンジャーに提示を求められた場合見せなければいけません。
トイレ
- 山中では排泄物はパックして持ち帰らないといけません。(小の方はトレールとキャンプサイトからはなれた場所ならばOK、ヘレンレイクのキャンプサイトでは指定場所がありました)
- 排泄物の処理パックは入山口に供えられていて、無料で配られています。必要な分を持参する必要があります。ヘレンレイクのレンジャーは予備を持っていたようですが、必要な分は極力自分で持参するべきだと思います。
- 今回ホースキャンプのトイレには立ち寄りませんでしたが、インターネットの情報によれば、ここでも排泄物、使用した紙は処理して持ち帰る必要があるようです。
水
- 水場はホースキャンプの湧き水以外は今回のコース中にはありませんでした。その湧き水も今回は止まっていました。基本的に雪が残っているシーズンは雪を溶かして水を作る必要があります。燃料はそれを考慮したうえで余分に持つ必要があります。
装備
- シャスタの町の5th Seasons で靴やアイゼン、ヘルメット、ピッケル等はレンタルできるようです。値段や用具があるかどうかは事前に電話をするなどして、確認、予約をした方が無難だと思われます。午前8時過ぎに店の脇を通りましたが、かなりの人がいました。週末の朝は混雑するようです。
- Avalanche Gulchの登山ルートは落石も多いようなのでヘルメットの着用を呼びかけています。
- Avalanche Gulchのルートは比較的緩やかなので、ピッケルなどをレンタルする場合は長めの物の方が杖代わりにもなるので便利だとおもいます。雪の量、状態によっては幾分急な所を登る必要もあるようですが、概ね緩い傾斜(30~40度強)程度なので長い方が楽だとおもいます。傾斜の緩いところではストックがあった方が楽だと思います。
- アイゼンは10本爪の軽量の物でもいいのかもしれません。(あくまで私の主観です。)少なくても今回の状態ではアイゼンの前爪を使う場面はありませんでした。
- スコップ、スノーソーなどは、今回は前の人が整地した場所にテントを張ったので殆ど必要ありませんでした。ただ、そういう場所が取れなかった場合や風が強い場合も考えられるので、持って行った方が無難だと思います。ヘレンレイクのテントサイトは比較的平坦なので、風除けなどが必要なければ足で踏み固めるだけでも整地はできると思います。アンカーはテントを残してピッケル等は登山に使うとおもうので、竹ペグなどのアンカーを埋める必要があると思います。まあ、普通のペグを埋めてもいいと思います。
- 今回は冬用の寝袋を持参しましたが、全く寒くありませんでした。ただ、キャンプサイトは3000mを越える標高にあるので、天候などを考慮して決める必要があると思います。
- 頂上付近は風が強い事が多いようなので、オーバー手袋やジャケット、オーバーパンツは必要だと思います。今回はそれ程寒くありませんでしたが、念のため、目出帽など首や耳の保温ができるものがあった方が無難だと思います。今回はフードをかぶるだけで十分でした。
登山記録
- インターネットで英語の物をかなり見つけることができます。ただ、余り詳しい記録は少なく、上記のサイトの最新情報のほうが参考になると思います。
- 日本語の登山の記録・情報は少なく、いくつかブログに紹介されているのを見つけただけでした。
登山ルート
- 雪のルートなので雪の量、状態によってルートの取り方は変わると思いますが、今回通ったルートを参考までに載せておきます。GPSのトレースを地図と、Bingのインターネットの衛星写真に重ねています。(雪の状態は登った時の物ではありません)
1日目 Bunny Flat ~ Helen Lake
2日目 Helen Lake ~ Summit
1日目 Bunny Flat ~ Helen Lake
2日目 Lake Helen ~ Summit
幾つかの感想
- Avalanche Gulchは比較的傾斜が緩いです。今回取ったルートでは、レッドバンクスを回り込むルンゼのあたりで恐らく40度強程度だったと思います。その下で、35度位、稜線に出たあとも恐らく30度から35度程度の傾斜だと思います。感じとしては、白馬岳の大雪渓を登るような感じで、剣岳の長治郎谷や針の木大雪渓の上部ほどの傾斜はないと思います。
- 今回程度の雪質、状態ならばBunny Flatから十分日帰り圏内だと思います。Helen Lakeまで、3時間~4時間、Helen Lake から頂上まで5時間程度、下山は尻セードをすれば頂上から3~4時間で降りられると思います。Helen Lakeで1泊した方が楽なのは間違いないと思います。
- Helen Lakeまではシール歩行可能だと思います。Helen Lakeから上もしばらくはシール歩行できると思いますが、上部は傾斜が増すので雪が締まっていれば、担いで登ったほうが楽な気がします。スキーアイゼンはあった方が楽だと思います。
- 頂上直下からスキーは可能だと思いますが、楽しいのはRed Banksの下だと思います。特に今回はレッドバンクスの上はクラストしていてシュカブラやえびの尻尾があって、スキーをするのには硬い雪だったので、スキーをしている人は見かけませんでした。
- Mt. Whitneyの方が距離が長く、雪の上ではなかったのでより疲れた気がします。それに、比べてMt. Shastaは短かったという印象です。
- 今回は雪がやわらかかったのでレッドバンクスの岩の直下から尻セードーで降りることができました。ただ、傾斜は強いのでピッケルなどで確実に制動をかけながら降りる必要があります。
高山病について
- 今回は、全く高山病の症状はでませんでした。Mt. Whitneyの時は軽い頭痛がありましたが、さほど酷くありませんでした。長期にわたる山行で本当に高い高度にいく場合と違って、所謂、週末登山で4000m前後の山に登るケースは恐らく高度に順化するだけの十分な時間は取れないのではと思われます。あくまで主観的な感想ですが、長距離走のトレーニングは心肺機能の強化につながると考えられ、高山病の症状を軽減するのに一役買っていると思われます。十分なデータがないので、はっきり断言する事はできませんが、個人的には効果があると思います。特に昨年のMt. Whitneyはマラソンのレースが終わり、トレーニング量が減っていた時期であったのに対し、今回のMt. Shastaは、マラソンのレースに向けてトレーニングを強化している時期に重なったのが幸いしたように思えます。
- 参考までにパルスオキシメーターで計った動脈血酸素飽和度(SPO2値)です。
- 6月16日午前11:50 @ Helen Lake (94% HR 112) テント設営後
- 6月16日午後18:04 @ Helen Lake (91% HR 103) 夕食後
- 6月17日午前02:15 @ Helen Lake (92% HR 81) 起床後
- 今回は風が強く、手袋をしていたので、行動中は測定しませんでした。通常の下界での値は、SPO2値が98~99%、心拍数が50~70回/分が私の普段の計測値です。
次回また登山する予定はございますか?
返信削除今年も5月あたりに登ろうと思っています。今年は雪解けが例年より約一月ほど早いようなので早めの時期が良いようです。詳しい情報が必要ならばお知らせ下さい。
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