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Mt. Whitney 登山を科学する (9) ~ 上限心拍数を考える その4

頂上からの眺め!

前回は、トレーニングのデータから上限心拍数を決める事を考えましたが、もう少し簡単な方法はないのかもう少し考えたいと思います。



もう少し簡単にできないか?
取りあえず前回の方法で簡易的なLT相当に近い心拍数を見つける事はできるかと思います。しかし、一定の心拍数や、絶対的な運動強度を維持して1時間ないし、2時間の運動と言うのは余り簡単ではありません。また、一度の計測でなく、数回やってみて、この辺と言うのを探す必要があります。そこで、もう少し簡単に見つける事ができないかを考えてみます。

簡易的な方法!

これは、余り理論的な方法ではありませんが、私自身のデータでは必要十分な値を得られると考えられる方法です。これは、まず1週間程度、1時間以上の運動をします。運動強度は、実際の登山で「この辺までは辛くなっても大丈夫」という強度で運動します。つまり、自分の限界まではプッシュしない程度という事です。この運動で心拍数のデータを取ります。そうすると、その強度の運動によるトレーニング時の平均の心拍数を得る事ができます。これは、自分が共用できる運動強度での心拍数なので、その平均値を上限の心拍数を決めるのに使うという考え方です。運動は一回でもいいのですが、何回かやってみて、同じような値が出る事を確認して使う方がより確実かと思います。



 昨年のMt.Whitneyハイキング直前のトレーニング記録

 私の昨年のハイキング直前のトレーニング記録を紹介します。昨年はケガの影響で、直前のトレーニングでランニングすることができず。ジムでのトレーニングでMt.Whitneyに行きました。トレーニング内容が、違うので平均の心拍数にばらつきがありますが、この中で、心拍数が毎分150回を越えているものは、全てStair Climbingのトレーニングの物です。時間が1時間なので、割と早いペース(毎分70~75ステップ)で運動しています。この時の平均が概ね、毎分150回から155回程度という事です。実際はこれより高い値で、どちらかと言うと最大心拍数を基にこの時の上限値を考えましたが、結果からすると平均値を使う方が良いように思えました。


値を決める前に何点か注意してみる点があります。少なくても、1時間は継続して運動する方がより現実的な心拍数を得る事ができます。これは、1時間以下だと少しくらい高めの心拍数でも継続できるので、後で何らかの補正係数をかけたとしても、値が余り現実的でない可能性が高いからです。もう一つは、平均の心拍数と、最大の心拍数の差を見る事です。ただし、最大の心拍数は、一瞬の測定誤差のような特異な測定値による物も考えられるので全体的な心拍数の推移を見て考える必要があります。できれば、心拍数のグラフをみて、グラフが「連続」と考えられる範囲での最大心拍数を見る必要があると思います。これは、平均と心拍数の差が大きいという事は、運動中の心拍数が上昇傾向か下降傾向、或は運動の強度が運動中大きく変動していると考えられるからです。実際に差がどれくらいだと、補正が必要かは現段階では詳しくは言えない状況ですが、グラフの傾き(変化率)フラットに近くない場合は、何らかの補正が必要だと思います。下降傾向にある場合、当初の運動強度が「きつく」調整された結果運動強度を落としていると考えられますが、実際に運動した感覚がその場合は、平均値はそれなり使えるのではと考えられます。逆に上昇傾向の場合、運動は継続できていますが、その運動強度はLT相当値よりはきついもので、そのために心拍数が徐々に上昇していると考えられるので、値を使う場合には平均より少し低めの値を使う方がよいと考えられます。

(つづく)


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