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Mt. Whitney 登山を科学する (10) ~ トレーニングについて考える

Lone Pine Lake

今年も許可が取れたので、登れそうです。トレーニングにも力が入ります。


トレーニングは助けになるか?

これまで、心拍数の上限値について考えてきましたが、ここでハイキングの為のトレーニングについて考えて みたいと思います。これは、人によりますが、ハイキングの為にトレーニングを行っている人もいますし、また、ハイキングの為だけではありませんが日常的に トレーニングをする人、或はハイキング自体をトレーニングあるいはダイエットの手段と考える人もいるかと思います。
いずれにしても、以前からハイキングをされている方には今までやってきたスタイルがあるかと思います。恐らく、「ショートハイキング」で、せいぜい12時間程度あるいは、半日(45時 間)のハイキングの場合はは、恐らく「ハイキングの為のトレーニング」は余り重要でないと思われます。勿論、トレーニングをした方が良いというか、いろい ろな利点はあるかと思います。しかし、必ずしも必要では無いように思います。むしろ、この程度のハイキング自体、健康やダイエットの為の運動であり得るわ けです。従って、これらの「短い」部類のハイキングの議論はここではしません。

ロングハイキング
ここで、考えたいのは、Mt. Whitney Trailの様な、比較的長いハイキングで、しかも、通常よりは高い標高の場所を歩く場合です。これは、比較的「きつめ」の運動とみなす事ができると思います。日帰りで頂上を往復する場合は当然として、仮に1泊で往復するにしても、恐らく1日は、10時間前後あるいは、10時間を越える行動をする事が必要になるわけです。単に平坦な普通の道を10時 間歩くだけでも、日常生活からすれば、それなりに「大変」な運動になるわけですが、ハイキングの場合、これに加えて傾斜のある場所を荷物を持って登るとい う要素が入ってくるわけです。さらに、標高が上がる事によって、一度の呼吸で取り込むことのできる酸素の量に制限がかかってくるわけです。つまり、物理的 な運動量(仕事量)は同じでも、それを限られた酸素量で行うわけで、通常の状態より酸素が不足する状態になるわけで、呼吸数や心拍数が上昇するわけです。 これは、心拍数と運動強度に相関関係があると考えれば、体に対する負荷は、より高い運動をしているのと同等であるという事になります。
通常「歩く」という行為は、運動負荷も比較的低く特にトレーニングをしていなくても、こなせる運動である 事から、「健康のため」の運動手段としてよく推奨されています。ところが、これが「ジョギング」になると一気にハードルが上がって、今まで運動していな かった人がいきなり始めて、酷い筋肉痛になったりという話はよく効きます。まだ、話ができる程度でのペースならば良いのですが、ちょっとペースを上げるだ けで、息が切れて、普段から行っていないと、なかなか長時間続けるというのは難しくなってきます。山へのハイキングの場合、負荷の要因として、傾斜と荷物 という要因が加わってきて、行為自体は「歩く」事でも、ジョギングと同等あるいは、それ以上の運動負荷になる事が多くあります。そうなって来ると、日常的 なトレーニングを実施した方がよりよい結果が得られると考える事ができます。
さらに、先の過去のハイキングの解析データを見ると、キャンプの荷物を背負ってのMt. Whitneyのハイキングでは、3,000mを越える標高では簡単に毎分160回の心拍数を越えてしまいます。こうした状況では、こうした比較的負荷の高い運動に対する対策が全体のハイキングに大きく影響してきます。つまり、ランニングや他の競技の運動の研究や調査からLT相当の心拍数に関してはトレーニングによって改善できることが知られています。そうなると、トレーニングを行って、こうした強い運動負荷に対する耐性を向上させておく事は意味のある事だと思います。

この続きはまた次回に!
  (つづく)



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