2回目の仕込みを瓶詰めしました
底に見えるのは上澄みをすくう際に混入した澱が若干混入したものです
透明度は前回より高いです
日本酒醸造プロジェクトのアップデートです。
年明け早々に、2回目の仕込みの日本酒を搾りました。前回は搾った直後に雑菌の混入を嫌って直ぐに火入れをして、そのまま、澱を沈殿させて上澄みを取る方法をとりましたが、今回は少し早めに発酵の方を切り上げて、半分は絞ったお酒をそのまま発酵させるものと、前回同様に火入れをするものと2種類試してみました。
さて、搾って約3週間弱でこの週末に上澄みをすくいましたが、大きな違いがありました。
火入れをしないものは、より透明度が高く綺麗なお酒になりましたが、火入れを直ぐにしたものは上澄みも若干濁りが残って綺麗な透明という感じにはなっていませんでした。そういえば、前回もかなり時間を置いたにも関わらず、濁りが若干残ってどうすればよいのかと、一部をコーヒーフィルタで濾してみたり、山で使う水の濾過用のフィルターを通したりしましたが、明らかに火入れをせずに放置した方が透明度が高いお酒ができる事が判明しました。ある程度そんな気がしたもののこれほど差が出るとは思っていなかったので、次回醸造するさいの大きな収穫になりました。
恐らく、澱に含まれる何かが熱で変質して濁りの原因になる感じでした。今回は火入れをしなかった物の半分は、冷蔵保存で寝かせて、生酒として楽しもうと思っていますが、残りの半分は火入れをしましたが、濁りはでませんでした。実際に火入れをするタイミングは一般的な工程では搾った直後ではないのもそんな理由なのかもしれません。
さて、味の方はというと、前回のものよりは確実に美味しい日本酒になりました。味もすっきりして雑味が少なく、より好みに酒に近づいたと言えます。ただ、美味しくなってくると、わずかですがクエン酸の味が気になるようです。酸味という事ではないのですが、後味にクエン酸特有の苦みと言うか通常の日本酒にはない味が残るのが気になるようになりました。前回はその辺が気になるほど、お酒の味が雑味で判らなかったという感じです。この辺をどうするかが次回の醸造の課題です。現状で、当面は困らない量のお酒ができたので、この冬に別のお酒を作るかというとちょっと考えてしまいますので、今のところ次回の仕込みは未定です。
考えとしては、クエン酸を使わずに、乳酸を使うというのが一つの方法です。乳酸も近所の店で手に入るのがわかっているので、これが一つです。もう一つは、最初から酸を加えずに作るというのが現在考えている方法の一つです。基本的に、仕込み量が多くなく、酒母を作る段階では量は少ない(せいぜい1~2合程度のお米)ですので、最初に入れる酵母の量はおそらく充分で、気温の低い今の季節の醸造ならば、雑菌が繁殖する可能性は、消毒を丁寧にして作る分には可能性としては少ないというのがあります。むしろ味の調整と言う観点では、幾つかのどぶろくのレシピに見られるヨーグルトの方がこくが出て美味しくなるのかもしれません。ただ、日本酒の味に酸味はある程度必要ですので、この辺をどう考えるかが課題になりそうです。
一回目の仕込では、発酵タンクの下部についた蛇口が搾る際に重宝したので、大きな5ガロンタンクでの醸造が良いかと思いましたが、今回麹を変えて作ったら、もろみの状態も全く違った仕上がりになって、特に蛇口から中間層を取ることに余り利点を感じられなかったので、むしろ2ガロンタンクで済む様な量に調整して丁寧に作った方が良い気がしました。
次回の仕込がこの冬なのか、次の冬になるのかまだまだ思案中ですが、この2回の仕込みで大筋はわかってきたので、次回の仕込みはもう少し工夫しようと思います。
今回の仕込みは、麹を代えた事は大きいかと思いますが、1回目より確実に気温が下がった事も大きな要因なのかもしれません。この冬はまだ寒さが続くと思うのでこの冬に作る場合は余り問題ないかと思いますが、次の冬に仕込む場合はもう少し気温が下がって寒くなるのを待つほうが良いのかもしれません。
この辺が、2回目の仕込みのまとめの報告と、次回への課題になります。
そんなわけで、1回目の仕込みのお酒は料理用に回すことにして、2回目の仕込みのお酒を楽しんで飲んでいます。
(一応、一区切りしましたが、このテーマの連載はつづきます)
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