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ビール酵母のパン(1) ~もう一つのプロジェクト

ビール酵母で作ったパン

もう一つのプロジェクト

最近ビールを作り始めた事は何回か書いていますが、実はもう一つのプロジェクトが進行中です。
ビールを作っていると、一次発酵が終わった後、瓶詰めをするわけですが、その際ビールの澱がビンに入らないように上澄みだけを使います。

ところが、発酵タンクに沈殿した澱の殆どが、まだ生きている酵母(イースト)です。ビール作りのインターネットの記事を見ていると、これの利用の仕方が幾つか書かれていて結構な人たちがパンを作ったり、野菜を漬けたりするのに使っているようです。工業的には、これでサプリメントを作って市販しているなどいろいろ書かれています。

そこで、やっぱり考えてみたのが、私もパンを作ってみようという事でした。パンのレシピを見ていると、一般的なドライイーストの他に、天然酵母パンなどを使ったパンは美味しいなどと書かれているのをみると、ビール酵母で作るパンも美味しそうな感じを受けますし、確かに捨ててしまうのは勿体ないという気もします。

既に何回かはトライしてみました

そんなわけで、一次発酵の後の折を瓶に保存して、これでパンを作る試みを何回かしてみました。とは言ったものの最後にパンを焼いたのは十数年前、それ以来自分でパンを焼いたことはありませんでした。
何とか古いレシピを取り出して、パン作りの実験を開始したのでした。

最初は。。。。

最初は、澱を取ってすぐにパン作りに挑戦してみました。かなりの量のイーストがあるので、それを使ってそのまま、パンにしてみました。まあ、久しぶりに作ったにしてはそこそこ出来たと思いますが、ちょっと美味しいと言うには程遠い感じで、何とかパンになったというのが正直なところでした。
最初のビール酵母パン

問題は幾つかあって、まず酵母の発酵の力が弱く、発酵にかかる時間が余計にかかったにも関わらず十分膨らまなかったので若干固めのパンになってしまった事と、タンクに残った澱をそのまま使ったので、ビールが水分としてかなり含まれていたので普通のパンよりは苦みの強い味になってしまったことでした。それ以外は、まあよく出来たかなという感じで、まだまだ改善の余地を残したまま終わりました。

2回目は。。。

 1回目の反省を元に、このバッチは、澱を瓶に入れて冷蔵庫で保存した後に充分ビールとイーストを分離した後、上澄みを捨てて、イースト部分を使って作りました。
しかし。。。。これまた予想外の結果になりました。

まずは、このビール一次発酵のピークが過ぎた後に、容器を移し変えて、その際に香り付け用のホップを入れる、いわゆる「ドライホップ」をして作ったビールの澱を使ったので、当然の事ながら、澱の中はイーストだけではなく、ホップも大量に混ざっているという状態でした。このホップが曲者で出来上がったパンはホップの苦みが利いた相当に苦いものになってしまいました。

もう一つは、冷蔵庫で結構長期間保存していたものを使ったので、かなりのイーストが死滅していたようで、殆ど一次発酵で膨らまず、苦肉の策として、とりあえずベーキングパウダーを混ぜて強引に膨らませてパンにしました。

収穫もあって、ナッツを生地に練りこんだのはビールの風味とあって苦かったものの相性としては悪くないなあという発見がありました。他にクランベリーも入れましたが、甘いものとの組み合わせもまずまずでした。

この失敗のパンでしたが、近所の友人のアドバイスで、薄切りにしてトーストして、甘めのクリームチーズをつけて食べると、おつまみにはとても美味しいものになるというのも新たな発見でした。

3回目でようやくパンらしく。。。

3回目は前の失敗を踏まえて、澱を瓶に入れてイーストを充分に沈殿させて上澄みをできるだけ取り除いて、しかも1週間以内にパンを作ってみました。
さらに、発酵力が弱かったので約半日前にイーストを取り出して、砂糖と小麦粉で種を起こして使いました。砂糖のおかげでイーストは元気になったようで、かなり激しく泡を出していました。

これに、前回の経験を踏まえて、ナッツを砕いたものを練りこんで作ってみました。

まだ、普通のドライイーストに比べれば発酵に時間はかかりましたが、何とか発酵も無事に進んで、何とか美味しいパンに仕上がりました。これが冒頭の写真のパンです。

さて次回は。。。。

 何回かの予備実験を経て、いよいよこの週末は、もう少し分量やプロセスをきちんと記録してレシピにするのが目標です。イーストは前回に使った残りでまた種を起こして使う予定です。うまくいったらもう少し詳しい作り方、レシピも公開しようと思います。

(つづく)






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